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小説:平和の絵本の本屋さん

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刺青・少年 -谷崎潤一郎


これもまた、速読の練習で読んでみた。
刺青は、刺青の彫り士の話。年のころ、15-16歳の美少女を眠り薬で眠らせて、その間に、蜘蛛の刺青を彫る。
そしたら、その女の子が、サディスチャンとしての自分の内面に目覚める、という短編小説。

昔なら、これでそれなりに衝撃的だったのかな? 言葉は美しいけれど、設定はかなりいい加減。
彫り士は、5年も彼女を探していたということだけれど、そうすると、「お、いい女」と思ったとき、彼女はわずかに10歳。数え年なら、9歳の子供だ。

いくらなんでも、9歳の子供の足だけを見て、5年間恋焦がれて、出会ったとたんに、眠り薬をかがせて、背中一面に、刺青をして、その子が、感謝して、サディスチャンとして目覚める、というのは・・・

これは、まだ妄想の中だけで、現実との関わりが希薄に思える。つまりは、妄想の初期段階の小説ということか。
谷崎潤一郎という人となり、彼の持った妄想の世界を理解していく、という意味では、ま、短編だし、あっという間に読めるので。



この刺青よりは、まだ「少年」という短編の方が、現実感はあったかな。
これは、子供たちの、ま、いわばSMごっこの話。最後に蛇の話がでてくるけれど、これは谷崎の照れ隠しかな?



  1. 2010/07/22(木) 15:25:19|
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金閣寺 -三島由紀夫


押入れの隅に、日本文学全集を発見。速読の練習もかねて、日本文学を読んでやろうと。
さて、三島由紀夫の金閣寺。

凶行は、その底に妄想があるもの。
主人公の溝口は、外界とのかかわりが苦手で、彼の内面は、孤独・現実との隔絶の中にある。
この隔絶と、妄想の広がりは、むろん、表裏のもの。
この辺りの心理は、僕が絵本で(妄想と現実と内面の壁、妄想の広がり方など)丁寧に描いたもの。(⇒連作絵本「想像という現実」)
さて、妄想の世界で生きる人間が、現実とのかかわりに戻ったとき(その辺りの心理も、連作絵本で丁寧に描いている)、どのような関わり方をするか。
そこには、やはりその人間のもともとの性格といったことも絡んでくるだろう。

この主人公の溝口は、気が弱く計画性もない、夢も無い、ま、情けない男ではあるけれど、根っこにはサディズムを抱えている。ま、そういう心の癖を持っているといおうか。

彼の妄想の世界に入っていければ、それなりに金閣寺への放火という行為に共感でき、そこはさすがに三島の世界。しかしながら、やはりそこは閉じた世界。

三島は、外に出るためには、あれしかなかったのかなあ。



  1. 2010/07/22(木) 15:12:26|
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